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【福島県農業の現状2】  紙飛行機

数日前、「福島県農業の現状」をブログに書いたところ、お客様やマスコミの方を中心に様々なお言葉をいただきました。そこで、第2として「顔の見える関係に風評被害はなし。」の具体的な例をご紹介したいと思います。

AKB48の「365日の紙飛行機」がヒットしています。4年前、風評被害に苦しむ仲間の農家の農産物をワゴン車に積み、一人で東京の路上などで販売を行っていた頃、東京に向かう高速度路で眠気を払うために、当時流行していた「ヘビーローテーション」を大声で歌いながら運転していたのを思い出します。
あれから4年半、今は、東京の人たちに逆に売っていただいたり、セット野菜を定期的に買っていただいたりして東京に行くことは随分少なくなりました。

神奈川県藤沢市の駅の近くに「エシカル市場」という小さな店があります。経営するKさんご夫婦は、震災直後から、ネットショップを通じて、たくさんの福島県産農産物をお買い求めいただいた方です。多い時には、月に50万円ものご購入をいただき、それを津波被災地のNPOなどにお送りいただいてきました。2年前の春「買うだけでなく、自分達でお店をもって、福島県産農産物を販売したい。」という事で、自力でお店を出されました。たまたま、その場所は、震災前、福島県相馬港から上がった魚を販売していて、「おいしい」ということで好評だった魚屋さんがあった場所です。そこに、今は福島県の農産物を販売するお店があるのです。小さな店舗で販売量もそう多くありませんので、福島からの送料もかかり、どうしてもお野菜などの値段は高めとなってしまいます。でも、小島さんご夫婦は、そのお店の趣旨を説明しながら、一生懸命販売いただいています。エシカルは、「道徳的な消費」というような意味で、そこでお買い物をすることで、被災地の人々を応援することができる、というような意味も込められています。K奥さんに聞いた事があります。「なぜ、これほどまでに応援していただけるのですか?」と、Kさんは「二本松農園は、自分の野菜だけでなく、風評被害に苦しむ他の農家のものも売っているところに共感しているんです。」と言ってくださいました。ご自分のある種人生までかけて、福島県農業を応援いただいている、私は、このKご夫婦に出会った事は非常に幸運だと思っていますし、二本松農園だけでなく、福島県農業者にとっても、幸運だったのです。

 数日前、スタディファームに1年間に4回も来てくれた、東京中野区のMファミリーの奥さんからメールが届きました。まだ、小学生の子供が一人いる30代の若夫婦なのですが「夫が病気になり、今治療で食欲がなくなっているが、ネットショップで取り寄せた会津身しらず柿だけは、おいしいと食べている・・・」と。なんとか追加で送ってあげたいと思い、生産者である会津の農業生産法人に電話したところ、「自宅で食べるために残しておいた10個の会津身しらず柿」を送ってくれました。電話で、二人で泣いてしまいました。
Mファミリーは、「二本松農園は第二の故郷だと思っている。」ともメールで書いてくださいました。

 ヘビーローテーションを歌いながら東京に行っていた頃、東京ではたくさんの販売ボランティアの方々が待っていてくれました。いずれも若い女性の方でした。「齊藤さんは、年だし、東京までお野菜を運んでくるだけで大変だったと思うので、あとは、私たちに任せて!」ということで販売をしてくれました。夕方、私が売り場に戻ると「齊藤さん、完売したよ!」と明るく応えてくれました。皆さん共通しておっしゃるのは「東京に居ながらにして、被災地を応援できることを探していた。そんな時、齊藤さんが一人で東京に売りに来ているのをテレビで見て、応援したい!という気持ちになった。」という事です。ここには、「自分も被災地のために 何かしたい 」という気持ちがみなさんありました。

 いろいろな事のあった4年半でした。「顔の見える関係に風評被害はなし。」という言葉は、このような経験から自然に出てきたものです。「顔の見える関係」とは単なる、農業者から消費者への直販というだけでなく、私は、お互いの、ある種「人生のオーバーラップ」だと思っています。このような方々には、できるだけ、おいしくて安全な農産物をお届けしたいと思うのは当然です。このような関係と思いがあって、「自分が食べるものは、どのような農家がつくっているのか」「自分のつくったものは、どのような方が食べてくださるのか」という関係性ができてくるのです。
 もちろん、ネットショップでお買いもとめいただいている、すべての人と、このように親密なおつきあいができる訳ではありませんが、気持ちとしては、ご紹介した例と同じような「思い」が、一人一人の客さまとこちら農業者側にもあると思っています。

 歌の中に「思いどおりにならない日は、明日がんばろう」という部分がありますが、私はこの部分が好きです。風評被害やなんやかんやで、思いどおりにいかない事はたくさんありますが、誰を恨むでも責めるでもなく、肩の力を抜いて「明日がんばろう」・・・と思えるようになりました。
紙飛行機は、風にゆられながら、フラフラと飛んでいますが、皆さんに追い風になっていただいて、先に向かって飛んでいるのです。

2015年12月4日 
NPO法人がんばろう福島、農業者等の会(農業生産法人二本松農園)代表 齊藤登
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